スペインで監督になるための話
スペインでサッカーの監督になるために
よく日本に帰ったら聞かれる質問のベスト3には入ります。
ズバリ答えは「語学力」
でもこれはスペインだけに限らずどこの国でも、日本だったとしても同じ答えです。
「語学力」
スペインで指導したければ、まずスペイン語が話せないと指導者なんてできない。
ごく当たり前のことだけれども、じゃあ話せればいいのか?
僕はさらに伝える力の「語学力」が必要だと思う。
伝える力ってなんだ?
これには別に言語は関係ない。日本人が日本語で日本人に指導するときでもこの力は必要です。
1+1=2
これをいかにわかりやすく伝えるか。
相手の年齢を考えて論理的に伝えるか、または感情的に伝えるか。
使う言葉はどうするか、道具を使うのか。
いろんな要素を踏まえて相手に伝える。
これをスペイン人にスペイン語でするわけだから「語学力」が必要になる。
プレッシャーに耐える
当たり前な話日本人がスペインでサッカーの指導をしているケースは稀。
やっぱり監督をしていると「なんで中国人が…」とか「あいつが監督なの?」とか聞こえたりもした。
それは選手、保護者、相手チーム関係者などから様々だ。
そんな声は気にしない!というスタンスでいなければ結構堪えると思う。
そのくらい言われるし、感じることなのである。
信頼を得る為にはとにかく学ぶ
「語学力」も学ぶことだけれども監督である以上「サッカー」を学ぶ=指導力は必要不可欠。
チームを持つと1シーズン自分の指導に20人の選手が付いてくることになる。
チーム作りで信頼関係の構築は必要なわけだけれども日本人というレッテルが最初の壁を高くしているのは致し方ない。
語学力でその壁をなくしていくわけれだけれども指導力でもそれはなくしていけると思う。
日本のようなただ走るだけとか、コーンドリブルを繰り返すとか、日本の指導の特徴である細分化されたトレーニングはスペインでは行われない。
まず間違いなく選手が飽きる。
ではどうするのか?
練習は複合的に考えて、年齢、選手のレベル、試合でのミスした現象、改善点などを考慮に入れてギリギリこなせるレベルの練習を毎回構築していく。
ここで大切なのが伝える力でそれが指導力に繋がっていると思う。
簡単に言うと、練習の説明をしてまずはノーヒントでプレーさせる、選手だけでの解決が難しければヒントを出す(あらかじめそうなるような練習にする)そこから攻略の糸口を選手が掴めば良いし、無理でも少し修正を加えることでやりたかった練習に近づけていく(ここが指導)
ただ練習を頭ごなしに「こうやれ!」と言っても意味がない。
練習メニューを計画した指導者本人がそれをしっかり理解していないとダメで、選手にも考えさせることも大事になってくる。
選手たちも練習の意図に納得いけば自然とついてくるし、できるようになればサッカーが面白くなる。
こういった経験を繰り返し積ませることが信頼を積み重ねることになると思う。
スペインで監督になるハードルは高くない
もちろん誰でもなれるというわけではないが、語学力さえあればそうハードルは高くない。
20人前後の選手達をまとめて1シーズン成長に導けるかがより大切になる。
ここでは指導力=練習での指導に置き換えているがそれ以外にも監督としてしなければならないこともある。
それは次の機会にコメントしたいと思います。