スペインと日本のサッカーの違い その1

サッカーの質とは

サッカー好きなら誰もが知るようにスペインのサッカーリーグは世界でも1、2を争うレベルです。世界的に有名なフットボールプレーヤーが多く在籍し、レアル・マドリード、バルセロナの2大クラブを筆頭にヨーロッパの主要大会でも輝かし成績を残しています。

スペインで最も人気のあるスポーツはサッカーです。当然競技人口も多いですがスペインの総人口は約4700万人。それに対して日本は1億2600万人。およそ2,7倍の人口差があるにも関わらず、最高峰のリーグ、そして数多くのスタープレーヤーを輩出し、FIFAランキングでもトップ10に入るこの力はどこから来ているのか?
スペインで指導者になって感じる日本との違いを伝えていきたいと思います。

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リーグ戦の充実

スペインと日本の間で大きな違いがあるとすればリーグ戦です。
日本はトーナメント文化で育成年代のメジャースポーツはほとんどがトーナメント制です。
サッカーで言えばインターハイ、冬の総体などが有名で一発勝負に夢をかけることが当たり前になっています。そういった大会のベンチ入りメンバーは20人程度と決まっていて、高校の部活動では3学年で100名を越す大所帯も珍しくない中、メンバーに入れなかった選手は観客席で応援している姿がよく映されます。また万年1回戦負けするチームもあったり、高校3年生でやっとの思いでレギュラーを取っても1回戦で負け、高校3年間で数回しか公式戦をしたことがない元サッカー選手は日本に多くいるでしょう。

ではスペインではどうなのか

根本的に違うことがリーグ戦文化ということ。マドリードの場合、11人制のリーグ戦がAlevin U-11(アレビン)から始まります。そこから2学年ずつカテゴリー分けされてInfantil U-13(インファンティル)Cadete U-15(カデーテ)Juvenil U-19(フベニール)全チーム総当りのホーム&アウェイで行われアレビンの年代で年間26試合、フベニールにもなれば年間34試合を戦います。また全ての年代のリーグで1部、2部、3部…のようにレベル分けがされています。
これらの試合は全て公式戦で、最終成績が下位4チームは降格、上位2チームが昇格します。アレビンの年代から残留や昇格といったシビアな体験をしているのです。
アレビンの選手でも年間で26試合の公式戦を経験します。中にはこの時点で日本の高校生より公式戦経験は多いかもしれません。練習試合とは違い、やはり公式戦には公式戦でしか感じられない空気というのが存在します。その経験は選手を大いに成長させるものです。

またリーグ戦なので次があります。負けたら終わりのトーナメントでは失敗を恐れる戦い方になってしまいがちです。指導者として選手に「ミスを恐れるな」と言いますが、次があるリーグ戦と次がないトーナメントではその言葉の責任感の重みが変わってくると思います。

さらに各クラブ1チームの登録人数は最大で25人までと決まっています。そして1試合に招集できる人数(ベンチ入りメンバー)は18人と決められています。クラブにもよりますが僕がいた今までのクラブは20人程度の登録人数でシーズンを戦い、必ず招集メンバーは試合に15分以上は出すことと、招集外メンバーを2週連続にしないなどがありました。練習に来なかったとか理由があれば2週連続といったこともありますが。

とにかく試合に出る経験が非常に多いのが特徴です。日本のように高校3年間公式戦に出たことがない仕組みではなく、100人選手がいれば100人が必ず公式戦に出たことがあるのがスペインで、スペインサッカーの土台になっているのだと思います。

日本もトーナメントからリーグ戦に移行しないかなぁ

 

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