スペインと日本のサッカーの違いは何なのか!? その2

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前回はスペインのリーグ戦について話しました。サッカーが根付いている印象を受けたと思います。

今回はスペインの練習について話したいと思います。

スペインの練習ってどんなの??

スペインと日本で行われている練習にも違いはあります。
「練習して上手くなる」という根本は同じだけれど「練習のしすぎ」なのが日本です。
日本の週1休みで2、3時間練習する。そして土日は練習試合というところは多いのではないでしょうか。練習量が多く、私も中学生や高校生の時はとにかく休みたいと思っていました。
一方でスペインは週3、4の練習で練習時間も90分、週末は1試合のみです。
また指導者の立場になり日本の指導者のハードワークにも驚かされます。指導者として練習、土日の試合帯同で1日の大半は潰されます。1人の顧問で3学年の部員の責任者を担っていることや労働時間を鑑みるとそのスタイルはスペインとは大きく異なります。
スペインではクラブ単位の活動しかなく、学校の部活というのはありません。必ず各クラブにジェネラルマネージャー(GM)と呼ばれる責任者がいます。各指導者はGMを上司として全員がクラブに雇われている形です。1日の練習時間は長くて90分。拘束時間は練習前後の時間も合わせても2時間半〜3時間程度です。週3回の練習と週末の土日どちらか1日にリーグ戦の試合が入ります。試合は公式戦でも試合の1時間前集合、試合が終われば各々解散なのでトータルで拘束時間は3時間程度です。
スペインは選手も指導者も「決まった時間内で練習と試合をこなす」ということに慣れています。こちらの指導者に「日本では3時間くらい練習するところもあるよ」と言えば必ず「試合は90分しかないぞ」と返答されるのが当たり前です。
スペインは練習から競争力があるのが特徴です。育成年代でも90分という限られた時間と回数で試合メンバーを決められるからです。よく日本人選手が「練習から削られる」というのはこういった体制が生み出しているのだと思います。

練習内容での違いで感じること

日本の育成年代の選手を見て常々思うことは「上手い」「よく走る」特にボールを持った時のドリブルやキープするといった能力は目を見張るものがあります。トラップ1つとってもそのテクニックは同年代のスペイン人よりも高いと思います。一方でパスや状況判断といった要素が欠けているのが日本人育成年代選手の印象です。それはなぜか。日本の練習の特徴は細分化されたところにあります。ドリブルに特化した練習、トラップに特化した練習、走る練習、細かく分けられていることでより目的がわかりやすい練習になっています。また日本人の性格的にもそういった練習を繰り返せることが大きく影響していると思います。スペイン人にはできない練習です。メッシやクリスティアーノ・ロナウドに憧れて一生懸命ドリブル練習をしたり、1対1を繰り返したり、ゴールを使わない練習が多いと思います。

スペインではどうなのか。もちろんドリブルの練習も1対1もします。特に割く時間が多いのはポゼッションと実戦に近いシチュエーションの練習です。リーグ戦が毎週末あり週3回の練習で改善と準備をしなければなりません。改善は前節の試合でよくなかった所、準備はチームのスタイルを練ることや相手チームへの対応の確認です。毎週90分×3回の練習時間で基礎練、改善、準備をしなければなりません。いわゆるTMT(Training-Match-Training)の理論が使われています。そしてその積み重ねがスペインサッカーの土台を作っていると言えます。

どちらが優れているという話ではなくスペインではこのやり方で常に世界のトップを走っているということを知ってもらいたいです。